ミニが生まれた背景は?
ミニが生まれたのは1959年。ほぼ70年前に作られた車なのだが、あまり古さを感じさせない。実際に1959年から2000年まで大きくモデルチェンジされることなく作り続けられ、現在でもファンが多い。それはやはりこの車ミニが、車のひとつの形を極めているからなのだろう。
ミニは、イギリスのBMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)によって製造、販売された4人乗り2ドア小型車である。BMCというメーカーは1905年創立のオースチンと1919年創立のモーリスというメーカーが1952年に合併して生まれた企業である。合併当時はイギリス最大の自動車メーカーで、イギリスの自動車のほぼ4割を生産していた。
そのBMCが、1959年つまり合併の7年後に、全く新しい大衆車を目指して売り出したのがミニである。大メーカーにふさわしい思い切った車が、BMCには必要だったのである。
当時のBMCは、合併前のオースチンやモーリスの車をそのまま製造、販売しており、旧態依然というイメージが拭えなかった。

1947年からオースチンが販売した4ドア車。オースチンにとっては戦後初の乗用車で、1952年まで販売されていた。戦後車とは言いながら戦前のイメージが強い車である。
【Vauxford, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons】
さらに、1956年には第二次中東戦争が勃発し、中東からの石油が入って来なくなり世の中はオイルショックに陥っていた。それに伴い自動車市場の人気は、普通自動車ではなく、バブルカーなどに集まっていた。
バブルカーとは、排気量が小さい2〜3人乗りのマイクロカー、つまり簡易型自動車のことである。しかし、このバブルカー人気、あまり長続きしないことは明らかであった。
そこで、前輪駆動の小さな車が誕生。
こんな状況の中で、BMCは、とにかく経済的でありながら4人が乗車でき、普通に走ることのできる小型車の開発を目指すことになる。
そこで生まれたのがBMC ミニである。小さなボンネットの中にエンジンを横置き配置し、当時は一般的ではなかった前輪駆動方式を採用。さらに、モノコック構造による2ボックスレイアウトの車体を作り、そこにタイヤメーカーと共同開発した10インチの小型タイヤを履かせた。
これによって、コンパクトで背が低く、リアがスッキリとした台形スタイルの前輪駆動車ミニが誕生したのである。この車、これまでのイギリス車には無かったスタイルでもあった。

ミニは1959年から2000年まで生産されていたが、上の写真のミニは1959年の最初の生産ラインから生まれた車で、販売せずに保管されていたものである。現在は英国自動車博物館に保存されている。
【DeFacto, CC BY-SA 2.5, via Wikimedia Commons】

ミニを発売する前に行われたロードテストでの一コマ。家族4人が乗ってピクニックに行ける、そんな車を目指していたことがわかる。
【Geoff Charles, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons】
日本ではこの車、ミニクーパーという名前でよく知られている。ミニクーパーとは、ミニのスポーツモデルであり、エンジンやブレーキ、サスペンションなどに改良が施され、内外装も凝った車のことだ。
BMCとレーシングカー設計者のジョン・クーパーが共同で製造し、モンテカルロラリーなどでも活躍した。ラリーに出場し成績を収めたミニということで日本の若者に受け、名前が広まったのである。

