ファセルヴェガ ファセル6

金属加工から自動車製造へ。ファセル社。

ファセルが生まれたのは1939年。1939年といえば、ナチス・ドイツがポーランドに進攻し第二次世界大戦が始まった年だ。フランスも宣戦を布告し戦時体制にあったが、軍用機の製造会社の子会社としてファセルは設立された。主に金属加工などを行うメーカーだった。

戦争が終わると、ファセルは金属加工の技術を活かして自動車のボディの製造を行うようになる。特にボディを手作業で少量生産することを得意としていた。いわゆる職人技のボディ製造である。フランスのいくつかの自動車メーカーから製造を受注していたようだ。

パナールディナXの写真
パナール ディナX
高級車メーカーとして知られたフランスのパナール社が、戦後に一般向けの小型車としてデビューさせた車。アルミ合金製のボディの設計、製造にファセルが関わっている。一度見たら忘れられないデザインが見事!
Lars-Göran Lindgren Sweden, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons】
フォードコメットの写真
フォード コメット
フォードの子会社であるフランスのフォードSAF社の車である。ボディをファセル社が製造した。この車の丸みを帯びた美しいボディラインは、ファセルベガを彷彿とさせる。
Alexander Migl, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons】

ところが、時代は大衆車の量産が主流となっていく。一体成型のボディを工場で大量生産し、組み立てて提供するというやり方である。そうなると、メーカーの方ですべてを自社生産するようになり、当然ながらファセルの仕事は減っていった。

そこでファセルは、自社でオリジナルの自動車を設計し、製造する方向に事業を転換するのである。

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新時代の高級車、ファセルヴェガ。