商店街の昼下がり

昭和38年1月 神奈川県横浜市で撮影

シャッター商店街という言葉を最近よく耳にします。確かに地方都市の商店街は、幹線道路に大型の商業施設が建つと、お店が次々と閉店してシャッター商店街となってゆきました。都会の商店街はまだまだ元気なところがありますが、やはり時代の流れでしょうか、この前までやっていた商店がいつの間にかマンションに変わっていたなんてことがよくあります。
昭和30年代の商店街は、地域の中心。そこに行けば何でもありました。夕方になると買い物客で溢れたものです。でも写真の商店街はまだ昼下がり、人もまばらです。高い建物が無くて空が広いのがいいですね。

写真から昭和を見つける

袖看板
商店街を歩く人によく見えるように各商店では縦型の袖看板を出す。この看板に書かれている「ニギリ矢印」はアルミ製鍋のブランド名である。

ゲート
車道を跨ぐようにして商店街の名が大きく掲げられ、下には明かりが付けられている。ゲートサインである。漢字とローマ字で名前を記しただけのシンプルな作りである。

商店
個人商店が通りに沿って建ち並ぶ。商店だけではなく、金融機関や事務所なども並んでいるようだ。建物の通り側に装飾を施す看板建築の商店も見受けられる。

金物屋
店の前にバケツやヤカンなどがうず高く積んである。金物屋である。バケツやヤカンはホームセンターで売っているが、当時は金物屋で扱っていた。なお、この商店は今も金物屋として営業している。

路線バス
横浜市営バスである。車種は、いすゞ自動車製のリアエンジンバスのようだ。当時は現在のようなワンマンバスではなく、車掌が乗車していた。「発車オーライ」とか「ネガイマ~ス」などの掛け声が懐かしい。

軽トラック
軽自動車のトラックである。当時の軽自動車は排気量が360cc。ナンバープレートは白地に緑文字で今よりひと回り小さかった。
軽トラックの車種はスズキ自動車のスズライトキャリイ。現在も販売されているスズキ・キャリイの初代である

家庭のスナップ写真から、昭和のあの頃を考える。