リヤカーで遊ぶ

昭和32年頃 静岡県磐田市で撮影

農家の前庭に置いてあるリヤカーに子供たちが乗って遊んでいます。季節は冬のようですので、農閑期。子供がリヤカーに乗っていても仕事の邪魔になるようなことは無かったのでしょう。
子供たちは、このリヤカーが大好き。数人の子供が集まると、わざと端っこに乗ってシーソー代わりにして遊び、こっぴどく叱られたものです。遊びばかりでなく、家の手伝いをする時にもよくリヤカーにお世話になりました。子供たちの相棒みたいなものです。

写真から昭和を見つける

民家
この家は農家である。屋根は当然茅葺きで、家の前には農作業をするための庭が広がっていた。その庭に置かれたリヤカーで子供たちはよく遊んだ。

玄関
横開きの戸が付いているが、日中はたいてい開けていた。

戸袋
雨戸を収納する場所。雨戸を閉めることはあまりないので、いつも雨戸が入っていた。

障子
最近の住宅では障子はガラス戸の内側にあるが、昔の家にはガラス戸が無いため、いきなり障子である。下の一部が破れており、子供のイタズラか猫の出入り口であると思われる。
この障子を開けると縁側になり、縁側の奥が座敷である。

物干し
木の棒にロープを付けてある。洗濯物を干す物干しとして使用する。

リヤカー
リヤ(後ろ)カー(車)の名前の通り、自転車やバイクなどの後ろに付ける荷車である。でもよく見かけたのは人間が引くリヤカーであった。収穫した農作物やお店の商品の運搬などに使用。屋台や焼芋屋などにもよく使われた。

小学生
小学生の女の子。胸に名札をつけている。この頃は名札をつけたまま遊ぶのが普通であった。

幼児
リヤカーに這いつくばっている。冬はリヤカーの出番があまりないので、晴れた日は子供の遊び場になった。

家庭のスナップ写真から、昭和のあの頃を考える。