子犬と子供

昭和33年冬 神奈川県川崎市で撮影

昭和30年代には、ペットという言葉は一般的ではありませんでした。犬を飼うのは番犬として、猫を飼うのはネズミ駆除のためであり、犬や猫に今のような愛玩動物のイメージは無かったわけです。そういえば、街の獣医の看板にも家畜医院なんて書いてありました。
でも、子供は動物が大好き。どこかから犬や猫を拾ってきては、自分が世話をするからと親に頼み込んだものです。たいていは飼っている途中で飽きて、世話は親まかせということになったものですが・・・。

写真から昭和を見つける

坊っちゃん刈り
前髪を横一線に揃えてカットした坊っちゃん刈りである。当時の男の子は、みなこのヘアスタイルであった。

格子
ガラス戸に木の格子がはまっている。台所の窓と思われる。

牛乳箱
木製の箱にホモと書かれたマークが見える。森永牛乳の牛乳箱である。当時はこんな牛乳箱がどこの家にもあり、毎朝ビン牛乳がこの箱に届けられた。なお、森永ホモ牛乳は、森永乳業が販売していたビタミン入りの牛乳。発売は昭和27年。

子供
子犬と一緒に写真に収まる。ちょっと緊張している。

子犬
貰ってきたばかりの子犬。犬種は不明。雑種であろう。ちゃんと首輪をして野良犬ではないことを主張している。当時は犬はペットショップやブリーダーから買うものではなく、拾ってくるもの、あるいは貰ってくるものであった。

竿
竹の竿が数本写っている。物干し竿などで使用したのだろうか。

木箱
リンゴかミカンの入っていた木箱だと思われる。現代ならダンボール箱となるところだが、当時はダンボール箱より木箱の方が一般的であった。
木箱の中に藁などを敷いて、子犬を入れている。犬小屋ができるまでの一時的な寝場所だったようだ。なお当時は、犬は部屋の中で飼うものではなく、庭の犬小屋で飼うものだった。

家庭のスナップ写真から、昭和のあの頃を考える。