キャブオーバー バス

キャブオーバーのメリットとは?

商用車では戦後すぐにキャブオーバー型のトラックやバンが生まれている。運転席の前にボンネットが無いため見晴らしが利いて運転しやすく、何よりも荷物室が広く取れるというメリットがある。

キャブオーバー型バスが生まれた理由も同じだ。運転しやすく、何よりも多くの乗客を乗せられるというメリットがある。

現在のバスもボンネットのない四角いバスだが、エンジンは後にある。これは、バスとして効率の良い形であり、最初からバスとして製造されている。ところが、キャブオーバーバスは、前にエンジンのある普通のトラックをベースに、バスボディーを架装したどちらかというと急場しのぎの車でもある。

キャブオーバーバスのスタイル
キャブオーバーバスのスタイル
角のとれた優しいデザイン。車体に合わせ、窓もアールがついた形にしているのがとってもキュートだ。
真横から見ると車体の一番前に前輪があるが、ボンネット型だった車体をキャブオーバーに変更したからである。エンジンが後ろにある四角いバスなら車体の最前部にドアがあり、その後に前輪があるのが普通である。

ここで語っているキャブオーバーバスは昭和24年(1949年)製で、トヨタのKC型トラックのシャーシに富士重工が製造したキャブオーバー型のバスボディを架装したものである。

トヨタKC型トラックとは、昭和18年(1943年)から昭和22年(1947年)まで製造されていたトヨタのトラックで、戦中から終戦間もない頃の社会で活躍した。

そんなトラックの中古のシャーシを使ってバスが作られたのである。そう、このバスのベースは中古トラックなのだ。最もその頃はまだバス用の新たなシャーシの開発、製造などを行う余裕はどこの会社にもなかった。

トヨタKC型トラックの写真
トヨタKC型トラック
昭和20年(1945年)製のKC型トラック。戦時下の材料不足の中、工夫を凝らして造られたトラックである。戦後のキャブオーバーバスのベースとなった。写真の車はトヨタ博物館の展示品のようである。
TTTNIS, CC0, via Wikimedia Commons】

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富士重工がボディを製造。