庶民のお店で使われた庶民の車。
さて、ここで扱っている2CVフルゴネットは、1954年に登場したタイプである。前ページの写真の車の荷室にはFELIX POTIN(フェリックス・ポタン)と書かれている。
フェリックス・ポタンとは、フランスの食料品チェーン店で19世紀中頃に創業した老舗である。生産者からの直接仕入れで低価格販売を行ったり、自社ブランドの食品を販売するなど現代のスーパーの元祖とも言え、庶民のお店でもあった。
パリなどフランスの大きな街にはフェリックス・ポタンのお店がたくさんあり、2CVはそこで配送用に使われていたようだ。フランスの古い街は、中世のままの狭い通りがたくさん残っている。そうした場所で使うのであるから大きなバンやトラックでは役に立たない。そこで2CVフルゴネットなのである。
しかも、2CVはそのスタイルに特徴がある。車をコーポレートカラーを基調にした色で塗れば、お店の宣伝やイメージ付けにも効果がある。フェリックスポタンの2CVは、全体を小豆色に塗り、ホイールは白。さらにライトとバンパーを鮮やかな赤にしている。このあたりのセンスはさすがにフランスである。

フェリックス・ポタンのお店
街の小さな通りにあるお店である。近所の食料品店といった感じだが、こんなお店があちこちにあったのだろう。2CVフルゴネットはそこに商品を運んでいた。
街の小さな通りにあるお店である。近所の食料品店といった感じだが、こんなお店があちこちにあったのだろう。2CVフルゴネットはそこに商品を運んでいた。

1905年の配送車
歴史の古いフェリックス・ポタンでは馬車の時代から配送車を走らせていた。これは1905年に撮られた配送車である。白黒写真ではあるが、きっと荷物室の色は2CVと同じ小豆色なのだろう。
【Jules Beau, Public domain, via Wikimedia Commons】
歴史の古いフェリックス・ポタンでは馬車の時代から配送車を走らせていた。これは1905年に撮られた配送車である。白黒写真ではあるが、きっと荷物室の色は2CVと同じ小豆色なのだろう。
【Jules Beau, Public domain, via Wikimedia Commons】
シトロエン2CVは、1948年に登場し、なんと1990年まで販売が続けられたロングセラー車である。それだけみんなに愛された車であるわけだ。
やはり、単に乗用車としてだけでなく、フェリックス・ポタンのような身近な商店の配送用としてフランスの街のどこでも見られたというのが、2CVの愛される所以なのではないだろうか。
シトロエン2CVは、フルゴネットがあったからこそ国民車と言われるまでになった、と言っても過言ではないだろう。

2CVフルゴネットの前で記念撮影
これは、フランスのジャンモーリスとフランソワーズ・カート夫妻の写真。2CVフルゴネットの前で楽しそうだが、実はこの二人、1959年から61年にかけて2CVに乗って世界一周をした夫妻である。写真は、ニューカレドニアで撮られたもの。
やはり2CVは、フランスの人にとっては愛すべき車なのである。しかも彼らが使ったのはフルゴネット。荷物がたくさん入るこの車なら旅の相棒にふさわしいのだ。
【JM Fr Cart (auto-portrait)KoreKorin’~frwiki, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons】
これは、フランスのジャンモーリスとフランソワーズ・カート夫妻の写真。2CVフルゴネットの前で楽しそうだが、実はこの二人、1959年から61年にかけて2CVに乗って世界一周をした夫妻である。写真は、ニューカレドニアで撮られたもの。
やはり2CVは、フランスの人にとっては愛すべき車なのである。しかも彼らが使ったのはフルゴネット。荷物がたくさん入るこの車なら旅の相棒にふさわしいのだ。
【JM Fr Cart (auto-portrait)KoreKorin’~frwiki, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons】
2CVフルゴネット走行動画
1971年製のフルゴネットを紹介する動画である。オーナーによると、郵便車として使われていたものをレストアした車のようだ。見た目よりも荷室が広く、結構たくさん積めそうである。
1971年製のフルゴネットを紹介する動画である。オーナーによると、郵便車として使われていたものをレストアした車のようだ。見た目よりも荷室が広く、結構たくさん積めそうである。
