我が子の死を利用し、敵を駆逐。

日野富子 二十歳

日野富子、彼女は十六歳で、将軍足利義政の正室となる。しかし、十六歳の花嫁は結婚早々から『女の戦い』を覚悟しなければならなかった。

中でも強力な敵は今参局。彼女は義政の乳母であり、大奥の権力者であった。この今参局が、富子に対し側室の大館佐子を立てていたのだ。どちらが早く男の子を生むかが、権勢の別れ目となるのであった。

数年後二人に対決の時が来る。富子の出産であった。ところが、富子の子は生まれてすぐに死んでしまう。と、その時
「お今様(今参局)が御子を祈り殺したらしい」と不気味な噂が流れた。

「なんと、あのお今様が・・・。我が子の死を祈るなど、恐ろしや」
富子は、そのショックで寝込んでしまう。

しかし、この噂は富子が仕掛けたものであった。子の死を利用して敵の駆逐を図ったのである。

今参局は、義政の怒りを買い、琵琶湖の沖の島に流されてしまう。この時、富子はまだ二十歳。したたかな戦略で『女の戦い』に勝利する。

日野富子(1440~1496)
室町幕府八代将軍足利義政の妻。我が子を将軍とするため奮戦し、応仁の乱の原因を作ったとも言われている。