ルノー4 パリジェンヌ

Renault 4 Parisienne
ルノー4パリジェンヌ
ルノー4 パリジェンヌ 1964年

車は、ファッションアイテム。

ルノー4(キャトル)は、1961年に登場したルノーの前輪駆動車。ハッチバイクスタイルの実用性が受けて、1992年まで製造されていた人気車である。最初は、当時実用的な車で人気だったシトロエン2CVの対抗馬として売り出された。

都会的なルノー4を、女性向けに。

シトロエン2CVはもともと農家で使える車として作られただけに素朴さが売り物であった。それに対して都会的というのがルノー4の売りであった。

そんなルノー4の中で特筆すべきなのが、このルノー4パリジェンヌである。なんと言っても“パリジェンヌ”なのだから、これ以上都会的なものはないだろう。

このネーミングの通り、都会で女性に乗ってもらおうというのがルノーの戦略であった。

それまでの車でも女性に訴求を行うことはあった。だがそれは、“女性でも簡単に運転できる車”という訴えであった。60年代のトヨタパブリカのCMに「ママがパパに代わって運転することがあります。」なんてメッセージがあったのを思い出す。

だが、ルノー4パリジェンヌは、あくまで女性が乗る車として、都会的なパリジェンヌが運転する車としての訴求を行ったのである。

街を走るルノー4 パリジェンヌ
当時のモノクロ写真が雰囲気を伝えている。男性が運転している画もあるが、そこはご愛嬌だ。

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女性誌とのキャンペーンが始まりだった。