Ford Cortina

いわゆる、ファミリー・カー。
フォードが作った中型車コルティナである。上の写真は初代のMk1で、1962年から1966年まで製造されていた。4ドアセダンの落ち着いた雰囲気の車である。ごく一般的な設計で60年代のフォード車にしてはおとなしいイメージだが、これはフォードと言ってもイギリスフォードの車であり、レッキとしたイギリス車である。なるほど落ち着いているわけだ。
コルティナは、ミニの対抗車だった。
1909年、アメリカのフォード社は、イギリスに現地法人を設立した。ノックダウン生産のフォードT型を販売するためである。それがイギリスフォードの始まりだ。
1920年代から30年代になると、フォードの競争相手だったイギリス国内の自動車メーカーが国内状況に合わせた車を売り出すようになる。そこでイギリスフォードも、アメリカ車とは異なるイギリスのユーザー好みの車を独自に開発、製造するようになるのである。戦後にはゼファーやアングリアといった個性的な車を多く投入している。
フォード アングリア105E
イギリスフォードが1959年から1967年まで製造していた小型車。ヘッドライトと広いラジエターグリルがオジサンの顔のようで面白い。映画「ハリーポッター」でも空を飛ぶ車として登場した。
【Alf van Beem, CC0, via Wikimedia Commons】
イギリスフォードが1959年から1967年まで製造していた小型車。ヘッドライトと広いラジエターグリルがオジサンの顔のようで面白い。映画「ハリーポッター」でも空を飛ぶ車として登場した。
【Alf van Beem, CC0, via Wikimedia Commons】
さて、そのイギリスフォードが1960年代のはじめに出したのがフォードコルティナである。この車の開発のきっかけとなったのはBMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)のミニであった。イギリス車の代表としてよく知られているあの小さな車だ。そのミニのヒットに対抗するため開発をスタートさせたのである。

BMCの広告
1968年10月の広告。ミニとモーリス1300の写真が入っており、BMCの車が前輪駆動で車内がより広く、快適であることを訴えている。ミニの写真の下には「ミニを1台も持ってない人は自分を許せないだろう」とある。
【Andrew Bone from Weymouth, England, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons】
1968年10月の広告。ミニとモーリス1300の写真が入っており、BMCの車が前輪駆動で車内がより広く、快適であることを訴えている。ミニの写真の下には「ミニを1台も持ってない人は自分を許せないだろう」とある。
【Andrew Bone from Weymouth, England, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons】