「愛のスカイライン」―狼が愛を語る。
ところが、狼のイメージとは別の方向からキャンペーンを展開するのだから、当時の日産自動車は面白い。
キャンペーンのキャッチフレーズは「愛のスカイライン」。羊の皮を被った狼が“愛” となった。「送りオオカミか!」と言いたくなるようなこのキャッチフレーズで、シリーズCMが流された。
CMの内容は若い男女のドライブを描いているのだが、そこにちょっとした恋模様のドラマを織り交ぜている。休日は彼女といっしょにスカイラインに乗ってというメッセージなのである。
「愛のスカイライン」CM
男性と女性がスカイラインで愛を語るといったテーマで作られている。シリーズ化された。
男性と女性がスカイラインで愛を語るといったテーマで作られている。シリーズ化された。
60年代の若い男女のデートの定番と言えば映画を見て喫茶店でお茶をという時代。車に彼女を乗せてなんて金持ちのボンボンがするものであった。
だが、60年代が終わり、70年代を迎えようとしていたこの頃は、助手席に彼女を乗せてどこかへというデートの形ができつつあった。
そうした車に対するイメージを形にし、訴えたのが「愛のスカイライン」であった。なお、同じ日産のチェリーFⅡのCMで秋吉久美子を起用した「クミコ、君を乗せるのだから」というのがあるが、それは1974年。愛のスカイラインの方が早い。
