流行のハッチバックを取り入れた。
ガラスハッチは、窓を上に跳ね上げて、中の荷物の出し入れができるということで、自動車の分類で言えばハッチバックスタイルでもある。
ハッチバックは、1974年に登場した初代フォルクスワーゲン ゴルフから流行したと言われており、日本車でも70年代中頃にトヨタセリカやホンダシビックなどに取り入れられ、ヒットしている。

トヨタセリカ リフトバック
昭和48年(1973年)から発売が開始されたセリカのモデル。クーペの後部がバックドアとなっている。一般的にはハッチバックだが、トヨタはこれをリフトバックと名付けた。
【No machine-readable author provided. ChiemseeMan assumed (based on copyright claims)., Public domain, via Wikimedia Commons】
昭和48年(1973年)から発売が開始されたセリカのモデル。クーペの後部がバックドアとなっている。一般的にはハッチバックだが、トヨタはこれをリフトバックと名付けた。
【No machine-readable author provided. ChiemseeMan assumed (based on copyright claims)., Public domain, via Wikimedia Commons】

フォルクスワーゲンゴルフ
1974年に登場したフォルクスワーゲンのコンパクトカー。高性能な乗用車にハッチバックを取り入れ、ハッチバックスタイルを流行させたと言われている。
【Vauxford, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons】
1974年に登場したフォルクスワーゲンのコンパクトカー。高性能な乗用車にハッチバックを取り入れ、ハッチバックスタイルを流行させたと言われている。
【Vauxford, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons】
ホンダは、70年代中盤から広く受け入れられるハッチバックスタイルを昭和45年(1970年)発売のこの車ですでに始めていたことになる。
N360がヒットして3年。N360は高出力エンジンを搭載し、発売数ヶ月でヒット車であったスバル360を抜き販売トップに躍り出た車である。しかし、単に馬力がある、よく走るだけでは飽きられてしまうということをホンダは承知していたのだろう。軽自動車には新たな魅力が必要だったのだ。
また、当時社会問題ともなっていた欠陥車問題でもN360がやり玉にあげられていたという事情もあった。軽自動車の信頼性を回復させるという面でもホンダは軽自動車の新たな魅力をこの車で訴えようとしていたのである。
当時のホンダZのCMを見てもそれがよくわかる。「ワンダフル・ワールド・カー」というキャッチフレーズで世界基準の車であることを強調するかと思えば、海岸で油絵を描く男性を登場させ、こころ豊かな暮らしの場面で役立つ車という訴え方をするなど、イメージ戦略でCM展開を行っている。
ホンダ ZのCM
海岸で油絵を描く男性を登場させるCMの他に、「ワンダフル・デイ、ワンダフル・タイム・・・」と、趣味のある暮らしのために最適な車であることを訴えるCMなど3本が入っている。
海岸で油絵を描く男性を登場させるCMの他に、「ワンダフル・デイ、ワンダフル・タイム・・・」と、趣味のある暮らしのために最適な車であることを訴えるCMなど3本が入っている。
