人呼んで「水中メガネ」。
特にこの車で注目したいのはバックウィンドウの処理である。車の屋根が後部まで伸びて、斜めにカットされており、そこに大きな窓がある。
窓のまわりは黒くて太い樹脂製の枠がはめられていて、このバックウィンドウこそが、ホンダZを印象づけるデザインポイントでもあった。人々からは「水中メガネ」と呼ばれて親しまれた。確かに夏休みに海やプールでよく使ったあのメガネによく似ている。
そして、この窓全体は跳ね上げ式のバックドアともなっており、こうした形式をガラスハッチと言う。車の後ろのトランクに物を出し入れするのではなく、車の後ろから直接車内に物を出し入れできるというのは、車を日常の道具として見ると便利な機能である。
N360の頃は、車の後ろのドアは窓の下に付けられていた。N360の時代は、まだ後ろの窓が開くという形式は商用車のライトバンを思わせるので乗用車には採用されなかったようだ。
しかし、ホンダZではガラスハッチが採用された。しかも、いやが上にも目立つ水中メガネのデザインにしたのである。それは、この車は商用車じゃないぞという主張でもあり、ホンダZのチャームポイントにもなっている。
