ホンダ バモス

日本にも、レジャー用車を持つ時代が?!

昭和43年(1968年)に日本のGNPがアメリカに次ぐ世界第2位となり、この頃は、日本の高度経済成長も頂点に達していた時代である。人々の間にも大いにゆとりが広がっていた。

個人が自家用車を持つことはまだ大変ではあったが、すでに夢ではなく普通の生活となっていたと言えるだろう。ゆえに、2台目の車としてレジャー用車を持つこともそれほど抵抗が無かったのではないだろうか。それも軽自動車なら大丈夫・・・ということで軽のRVである。

こうした時代背景の中でバモスは登場した。しかし、昭和45年(1970年)から昭和48年(1973年)まで3年間販売されたものの、売り上げは芳しくなかった。月産2000台と見込んでいたものの、生産台数は全部でわずか2500台であった。

バモス ホンダのカタログ
70年代らしいポップなムードのカタログ。「機動トラック<バモスホンダ>でレッツコ゚ー!」というキャッチフレーズが泣かせる。バモスは、バギーやジープではなく、機動トラックなのである。状況に応じて自由自在に使ってね・・・と言いたかったのだろうか。

一億総レジャー時代を見越して開発したバモスも、やはり当時の人々にはまだ受け入れられなかったようだ。四輪駆動でなかったのが主な敗因と見られているが、いずれにしても「休日にはバモスホンダで海に山にレッツゴー!」といったホンダの目論見通りにはならなかったのである。

でも、この車、意欲的で個性あふれる軽自動車であったことは間違いない。車のユーザーの遊び心はまだまだでも、この時代のメーカーの方は、やはり遊び心満載で車を開発していたのである。

バモス ホンダ走行動画
本田技研工業が公開しているバモスの動画である。まず各部の様子を紹介し、次いで走る姿を見せてくれる。