ホンダ バモス

レジャービークルとしてのバモス。

しかし、ホンダというメーカーは、いつも突飛な車を出してくる。バモスもその一台で、何でこんなの作ったのホンダさんと尋ねたくなる。

資料によると、当時カリフォルニアでフォルクスワーゲンタイプ2つまりフォルクスワーゲンのバンでオートキャンプを楽しむことが流行しており、そこからヒントを得て開発が始まったとされている。確かにスペアタイヤとヘッドライトによるバモスの顔は、フォルクスワーゲンタイプ2を彷彿とさせる。

でも、バモスの見た目からすると、イギリスのミニモークを思い出す人も多いことだろう。ミニモークは、あのイギリスの名車ミニをベースに作られた車で、ジープのようなオープンスタイルの多目的車だ。タイヤのサイズが小さく、これもまたカワイイ一台であった。そしてビーチバギーとしてレジャーに使われ、世界各地のリゾート地で人気車となる。

フォルクスワーゲンタイプ2を改造したキャンピングカーの写真
フォルクスワーゲンタイプ2のキャンパー
タイプ2をキャンピングカーに改造した車である。VWの丸いマークとヘッドライトの感じがバモスの顔を思わせる。
Paul Palmer is the photographer, CC BY 2.5, via Wikimedia Commons】
ミニモークの写真
ミニモーク
イギリスの名車ミニをベースに作られた多目的車。1964年から製造、販売されている。ビーチバギーとして人気車となった。
I, 天然ガス, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】

そう、ホンダ バモスは、キャンプやビーチがキーワードなのだ。この車は、軽トラックなのではあるが、レジャー用車つまりRVとして使われることも想定して開発されたのである。この車の名前からしてそうだ。「バモス」とはスペイン語で「さあ、行こう!」という意味がある。英語にすればレッツゴー!である。

しかも新登場の際、この車はホンダ バモスではなく、バモス ホンダという名前で紹介された。西欧風に名前から呼んでくれというわけである。バモス ホンダつまりレッツゴー!ホンダだ。70年代の若者ウケを狙ったネーミングではあるが、やはりレジャーでも大いに使ってくださいとホンダは訴えたかったのだろう。

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この頃、車の使い方の意識が変化していた。