なぜシトロエンがベトナムで車を?
なぜフランスの自動車会社シトロエンが、東南アジアのベトナムで車を売っていたのだろうか。それはベトナムがかつてはフランスの植民地だったからである。
現在のベトナムがある地域は、19世紀の終わりにフランスの占領下となり、フランス領インドシナと呼ばれていた。シトロエンは1936年にそのフランス領インドシナに子会社を設立し、自動車の製造、販売を行っていた。
第二次世界大戦後、ベトナムはフランスの領土ではなくなるが、今度は北と南に分かれて戦うという不安定な国情となる。その中でシトロエンの子会社は、サイゴン自動車会社という名前となり、車の製造、販売を続けたのである。そして1970年にダラットが登場する。

フランス植民地時代のハノイ
1931年の写真。大きな建物と整備された道が写っている。よく見ると自動車が停まっているが、既に多くの自動車がヨーロッパから入ってきていたのだろう。
【Maurice Lambert (1910 – 2004), titulaire du droit moral des photographies, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons】
1931年の写真。大きな建物と整備された道が写っている。よく見ると自動車が停まっているが、既に多くの自動車がヨーロッパから入ってきていたのだろう。
【Maurice Lambert (1910 – 2004), titulaire du droit moral des photographies, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons】

ベトナム人の富豪が持っていた車
1970年代まで生きたベトナムの大富豪チャン・チン・フイの愛車。シトロエン2CVである。やはりシトロエン車は、ベトナムの自動車の歴史とは大きな関わりがある。
【TuanUt, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons】
1970年代まで生きたベトナムの大富豪チャン・チン・フイの愛車。シトロエン2CVである。やはりシトロエン車は、ベトナムの自動車の歴史とは大きな関わりがある。
【TuanUt, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons】
