トヨタ カローラレビン

大衆車カローラの高性能クーペ。

カローラレビンは小型のクーペとして登場した。もともとカローラには初代からクーペがラインアップされていたが、レビンはその通常のクーペよりも高性能なクーペモデルという位置づけであった。

カローラレビンのデザイン
カローラ レビンのデザイン
2代目カローラのデザインをベースにオーバーフェンダーが付けられ、より精悍なイメージになっている。
レビンのサイドビュー比較
初代カローラとの比較
下が初代カローラの2ドアである。比べると、レビン(クーペ)の後部座席の狭さがわかる。

さて、クーペというと、居住性よりも走りを重視したスタイルが特徴で、多くは2ドアである。レビンが発売された頃は、国内の多くの車種にこのクーペが設定されていた。そして、初めての車を購入する人は、4ドアのセダンではなくクーペを選ぶことが多かったようだ。4ドアは値段が高く贅沢というイメージだったのである。

また、この当時は運転免許の保有者が増加している時代でもあった。車が好きで、運転がしたくて取る人や仕事の必要で取る人に加えて、「とりあえず免許を取っておこう」という人が増えており、それが免許保有者数の増加に繋がっていたのである。そんなとりあえずの人間も免許を取ると車を買いたくなる。そこで選ばれるのは主にクーペであった。

カローラレビンの実車
カローラ レビンの実車
2014年の旧車のイベントで見られた実車である。この時点で40年以上前の車であるが、よく保存されている。
TTTNIS, CC0, via Wikimedia Commons】

レビンもクーペである。もちろん、スポーツドライビングを楽しみたい若者に人気のクーペであった。しかし、とりあえず免許を取ったので車を購入するという人にも「大衆車カローラの良いモデルなのだから間違いはないだろう」という理由で選ばれていたのである。

しかし、とりあえず免許を取ったような人が、大衆車カローラだからということでレビンを買うと、家族や友人を乗せるにはちょっとという感想を持ってしまう。クーペ特有の後部座席の狭さや、後ろに人を乗せるたびに助手席を倒さねばならないという面倒さに閉口したのである。

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レビンの意味がわかってくると、愛着も湧いてくる。