車好きの男性たちの心をくすぐるCMが流れた。
トヨタ自動車は、セリカの発売にあたり、車好きの男性たちの心をくすぐった。CMには毛皮のショールをまとった外国人女性が登場し、セリカを紹介する。CMの最後に「こんな車に乗る男って、食べてしまいたい!」と女性のセリフが入るのだが、そのものズバリというか、これしかないというか、男性の妄想そのままのCMである。
初代セリカCM
外国人女性が「こんな車に乗る男って・・・」と誘うように語りかける。まさに王道のCM。
外国人女性が「こんな車に乗る男って・・・」と誘うように語りかける。まさに王道のCM。
また、その8年後のセリカLBのCMでは、こんどは外国人の中年男性があの名曲「My Way」が流れる中で、「私の生き方、私のスペシャリティ、セリカ」と優しく語る。カッコよさの訴求も時とともに変化しているのが面白い。
セリカLBの1978年版CM
あの名曲My Wayがバックに流れ、セリカのあるライフスタイルを提案。
あの名曲My Wayがバックに流れ、セリカのあるライフスタイルを提案。
いざなぎ景気と呼ばれた昭和40年代前半には、新三種の神器3C(カー、クーラー、カラーテレビ)が話題となった。さらに昭和41年(1966年)には、大衆車の代表とも言えるカローラやサニーが登場し、マイカー元年と言われた。
それから4年後の昭和45年(1970年)、車に対する人々の興味が、マイカーを持つことからどんな車を持つかにシフトしていた時期に生まれたのが、このセリカであった。しかも、スペシャリティカーというカッコいい車として車好きの若者のたちの前に登場したのである。
ウチの自動車ではなく、オレのカッコいい車セリカ。それはまさに、豊かな戦後日本の象徴のような車でもあったのだ。
セリカリフトバック動画
美しくレストアされた昭和50年(1975年)のセリカリフトバック。車体やエンジン、走行の様子などが丁寧に紹介されている。オーナーのセリカに対する愛が伝わってくる。
美しくレストアされた昭和50年(1975年)のセリカリフトバック。車体やエンジン、走行の様子などが丁寧に紹介されている。オーナーのセリカに対する愛が伝わってくる。
