トヨタ セリカ

“ダルマ”と呼ばれたクーペ。

クーペと言えば、屋根から後部までの流れるフォルムが美しい車。しかし、多くが2ドアで後席が狭く、運転するのは楽しいが後ろに人を乗せるには気が引ける。便利に使うというよりも持つこと、運転することに意味があるゼイタクな車である。

当時の日本でスタイルの良いクーペとして登場したのは日産シルビア、いすゞの117クーペなどがあった。値段も結構なもので、確かに高級車であった。

セリカは、そんな高級車イメージを持つクーペとして登場したが、もっぱら“ダルマ”と呼ばれて親しまれた。ボディの丸い膨らみからそんな愛称が生まれたのだろう。特徴的なメッキバンパーがダルマのヒゲに見えるからという説もある。いずれにしても、愛称があるということはそれだけ皆に愛された車と言える。

セリカを前から見る
セリカの正面
バンパーがダルマのヒゲに見えるので”ダルマ”と呼ばれたとの説もある。
セリカ1600実車
博物館に展示されている初代のセリカ。やはり、日本の自動車史を語るときには外せない車なのである。
Mytho88, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】

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日本初のスペシャリティカー。