フォード タウヌス

フォードの現地進出のコンセプトとは?

1909年、アメリカの自動車会社フォードは、イギリス・フォードを現地法人として設立。1911年からは、当時ヒットしていたフォードT型のイギリスでの現地生産を始めた。

しかし、アメリカで人気があっても、それを地元で生産して販売するだけでは、地元のメーカーに対抗できないことがわかり、次第に現地イギリスにあわせた車を生産して販売するようになっていった。つまりイギリス車を作るようになっていったのである。

イギリスに続いてドイツ・フォードも1931年に発足。ドイツの国情に合った車を製造し、販売した。そのドイツ・フォードで作られたのがタウヌスである。初代のタウヌスが生まれたのは1939年で、戦後は1948年から戦後型のデザインが加えられ1952年まで生産、販売された。

工場から出荷されるタウヌス
工場から出荷されるタウヌス
1948年にドイツ ケルンの工場で撮影された写真。工場から初出荷されるタウヌスを祝っている。
Bundesarchiv, Bild 183-2005-0722-512 / CC-BY-SA 3.0, CC BY-SA 3.0 DE, via Wikimedia Commons】

そして、1952年からは、小型車と中型車の2種類の新たなタウヌスが登場する。“新たなタウヌス”と書いたが、このタウヌスは、戦前、戦後を通して作られていたそれまでのタウヌスとは全く異なる車であった。それでも新しい名前は付けなかったのである。当時のドイツ・フォードが作る車には、すべてタウヌスという名前が付けられていた。

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アメリカ車のようなタウヌスが、まず登場。