ダットサン サニー

車を持つことのイメージを変えた。

しかし、そんなことよりもこのキャンペーンでまず重要なのは、850万通もの応募があったということだ。それだけこの車に対する一般の関心が高かったことを物語っている。さらに、一般公募で名前を付けるということで、身近さもアピールできた。

このキャンペーンにより、自動車は一般家庭でも所有できるものなのだというイメージを人々に持たせることができたのである。しかも実際にサニーは40万円台という低価格で販売された。国税庁のデータによると、昭和41年のサラリーマンの平均年収は54万8千円となっている。当時のサラリーマンの年収以下の金額でサニーは買えたのだ。

サニーは、消費者に好評をもって迎えられた。発売から1年も経たないうちに月間国内登録台数1万台を達成する。時代がすでに求めていた車ではあったが、日産の話題作りは、人々の自家用車に対するイメージを変え、販売に結びついたのだ。

しかし、この成功を他のメーカーが黙って見ているはずはない。同じ昭和41年(1966年)の11月にはトヨタからカローラが発売される。

トヨタカローラ
トヨタ カローラ
サニー発売と同じ昭和41年(1966年)に発売されたトヨタの大衆車。
サニーとカローラの比較
サニーとカローラ
2台の側面を並べてみた。上がサニーで下がカローラである。サニーの方が少しスマートに見えるが基本的に同じスタイルである。

次ページ
CS戦争が勃発。マイカー元年。