ルノー4 パリジェンヌ

カワイイ車ではなく、ファッションアイテム。

通常のルノー4をベースにしているのだが、この車のコンセプトはまさにファッションであった。ボディカラーは黒や濃いワイン色、そこに籐カゴ模様やチェック柄が入る。

現代でも女性仕様と銘打った車は多いが、そのイメージはというとパステルカラーが多い。それは、女性に喜ばれるのはカワイイ車という鉄則があるからだ。女性の方も「この車カワイイ〜」が選択の条件であるので致し方ないが。

パリジャンヌのリア
リアのハッチバック全面に籐柄のデザインが。
パリジェンヌ側面
サイドにも籐柄のデザイン。旅行カバンのイメージ。

ところがルノー4パリジェンヌは違う。大人の女のイメージなのである。この当時の人々の女性の魅力の捉え方が現代とは異なっているからなのだろう。

「どこへでも乗って行ける旅行カバンのような車」がルノー4登場時のキャッチフレーズであったが、パリジェンヌは、それをそのままデザインしてしまった。しかも、雑誌ELLEとコラボすることにより、ファッションアイテムとしてしまったのである。今見てもこの車のオシャレ感は薄れていない。

実車のパリジェンヌ
ELLE誌と共同で企画、発売された実車の写真
Mic from Reading – Berkshire, United Kingdom, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons】

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ウーマンリブの直前に生まれたパリジェンヌ。