オペル レコルトC

車のスタイルは、流れるボディラインへ。

レコルトCが登場した60年代の終わり頃は、世界的に見ても車のスタイルはより低く、幅広くなり、流れるラインを生かしたデザインが主流となってきていた。それは、各地で自動車専用道路が発達し、新しく作られる車には高速走行や長時間走行に対応できる性能が求められていたからである。空気抵抗を考えた流れるボディラインは高速走行にふさわしく、車体の幅が広く車内が広い車は快適なロングドライブが可能というわけである。

事実、西ドイツでも戦前からあった高速道路であるアウトバーンの改良や新路線の建設が進み、隣接する各国との高速自動車網が広がってきていた。これによって旅行やバカンスは鉄道の利用から自家用車の利用へとその形態が変わってきていたのである。

オペルレコルトCは、こうした世の中の流れの中でヒットした。やはり、人々の心を捉えたのは流れるようなボディラインだった。アメリカ車的という批判を抑えるほどのカッコよさだったのであろう。

レコルトCのCM
未舗装の山道を走り抜け、舗装道路では鮮やかなコーナリングを見せている。どんな道でも快適な新時代の車というイメージを伝えたいのだろう。
レストアされたレコルトC
レストアされた1971年のレコルトCである。夕日の中を走る姿が美しい。50年前の車とはとても思えないカッコよさだ!

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日本のテレビドラマにも登場。