オペル レコルトC

コークボトルラインを取り入れた、レコルトC。

特にレコルトCの直接のライバルとなったのは、タウヌス17Mの4代目 P7である。タウヌスP7は幅広く、室内は広く、車高は低くと、当時の流行を取り入れた車ではあった。しかし、アメリカ車的であるということで、人気はイマイチであった。

実はフォードはこれ以前に、タウヌス17Mの初代で当時のアメリカ車そのままの車を投入し人気が芳しくなかったため、ヨーロッパスタイルの2代目タウヌスを出してヒットさせたという経緯がある。それから7年ほど経ち、人々の意識が変化してきたためタウヌスP7を登場させた。だがこれもアメリカ車すぎるという批判をあびたのである。

一方、オペルもレコルトCに流行のデザインを取り入れた。それは、コークボトルラインであった。コークボトルラインとは、コカコーラのガラス製ボトルに見られるような女性のボディラインに似た曲線を取り入れたデザインのことだ。レコルトCのリアフェンダーの近くのカーブにそのラインを見ることができる。これによって、車は全体的にまとまった印象にもなっている。

スチュードベーカー・アヴァンティ
コークボトルラインの車
最初にコークボトルラインを取り入れた車、スチュードベーカー・アヴァンティである。コカコーラのボトルをデザインした工業デザイナーのレイモンド・ローウィがデザインを担当した。
Vauxford, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons】
レコルトCバック
レコルトCのバックスタイル
レコルトCにも流行のコークボトルラインが取り入れられた。アヴァンティに似た流れるラインが見られる。

コークボトルという言葉からもわかるようにこれはアメリカ発の流行である。非常にアメリカ的に感じるが、この車も批判を浴びてしまうのだろうか。ところがそうはならないのだから車の流行というのは面白い。このオペルレコルトCは、当時の西ドイツの人々に受け入れられヒットした。

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車のスタイルは、流れるボディラインへ。