ダイハツ ミゼット

バイク&リヤカーから、トライモービルへ。

最初のミゼットは、DK型。一人乗りで屋根と背面は幌、しかもバーハンドルであった。それはオートバイでリヤカーを引く格好であり、オート三輪の原型といったタイプ。やはり、雨も降るし、未舗装道路からの埃もひどく、屋根付き、ドア付きの車がほしいというのが当然の成り行きであった。

ダイハツミゼットDK型
ダイハツ・ミゼットDK型
最初に売り出されたのはこのタイプだった。
DK型の車内
バーハンドルで屋根は幌。ドアもない。足元にあるのはキックスターターだろうか。

そこで、昭和34年(1959年)には、二人乗りでドアと屋根付き円形ハンドルのMP型が売り出される。映画「ALWAYS 三丁目の夕日」に登場するミゼットもこのタイプだ。

このMP型は、最初はアメリカや沖縄向けにトライモービルという名で輸出され人気となり、それが国内販売されるようになったものだ。当時のCMでも、アメリカで大人気と伝えている。ダイハツ生まれのアメリカ育ちというコピーが時代を感じさせる。

ミゼットMPの新発売CM
シカゴの全米自動車ショーの様子を紹介。トライモービルがショーの人気をさらってしまったと伝えている。語り手のロイ・ジェームスもなつかしい。
トライモービルのカタログ
1959年発行のアメリカ向けカタログの1ページ。スタンダード型とハンディワゴンを紹介している。「スタンダードは、金物店、自動車用品販売店、園芸店などに最適であり、ハンディワゴンは大型で扱いにくい物品も積め、キャンバストップが荷物を日光・雨・雪から守る。」と書かれている。イラストで紹介しているのが、なんだか楽しい。
Daihatsu Trimobile for the USA by Hugo-90, on Flickr

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ウチにもクルマがある、ミゼットがある。