350GTは、初の量産型スーパーカー。
350GTVは、話題となり一定の評価は受けたものの、やはり初めて作ったプロトタイプであった。さまざまな問題点を指摘されてしまう。そこで350GTVをベースに再設計を行い改良を加えて、1964年に量産型スーパーカー350GTをデビューさせるのである。

ランボルギーニ 350GTV
1963年のトリノモーターショーに出品された350GTV。好評を得たが問題点も多く指摘され、この車を元に350GTが再設計される。なお、ヘッドライトはリトラクタブル型である。
【Craig Howell from San Carlos, CA, USA; (cropped and adjusted by uploader Mr.choppers), CC BY 2.0, via Wikimedia Commons】
1963年のトリノモーターショーに出品された350GTV。好評を得たが問題点も多く指摘され、この車を元に350GTが再設計される。なお、ヘッドライトはリトラクタブル型である。
【Craig Howell from San Carlos, CA, USA; (cropped and adjusted by uploader Mr.choppers), CC BY 2.0, via Wikimedia Commons】

350GTVの説明をするフェルッチオ
フェルッチオ自らが350GTVの説明を熱心に行っている。隣で聞いているのは、モータージャーナリストのジョヴァンニ・カネストリーニ。
【Unknown photographer, Public domain, via Wikimedia Commons】
フェルッチオ自らが350GTVの説明を熱心に行っている。隣で聞いているのは、モータージャーナリストのジョヴァンニ・カネストリーニ。
【Unknown photographer, Public domain, via Wikimedia Commons】
そのスタイルでプロトタイプの350GTVと大きく異なるのは、やはりヘッドライトであろう。GTVのヘッドライトは、リトラクタブルヘッドライトで、点灯時に立ち上がるタイプのものである。空気抵抗を考慮しているのだが、見た目がスマートで、当時の市販車でもシボレーコルベットなどのスポーツカーで採用されていた。
ところが、350GTではこれを固定式のヘッドライトとしたのである。メンテナンス性を考えてのことだろうが、でもそれによってフロントまわりのラインがとても個性的になり、かえって魅力が増すことにもなっている。
また、350GTは、エンジン性能やサスペンションの安定性はもちろん、乗り降りのしやすさ、車内の静かさ、快適性なども考慮した作りとなっていた。カッコはいいが、車内の騒音がひどく、狭苦しく、暑いスーパーカーに不満を持っていたフェルッチオだからできたスーパーカーとなったのである。

ランボルギーニ350GTのスタイル
正面から見ると、楕円形のヘッドライトがなんともカワイイ。また、ガラスを大きくとったバックデザインが個性的で、開放感がある。
正面から見ると、楕円形のヘッドライトがなんともカワイイ。また、ガラスを大きくとったバックデザインが個性的で、開放感がある。
