ダットサン フェアレディ

フェアレディという名前はどこから?

さて、フェアレディであるが、日本人にとって馴染のあるこの名前はどこから来ているのだろうか。それは、ミュージカルの「マイ・フェア・レディ」である。昭和34年(1959年)、当時の日産の社長が渡米した際にブロードウェイで「マイ・フェア・レディ」を見て、それに感動して付けたと言われている。

「マイ・フェア・レディ」は、ロンドンの下町の花売り娘イライザが音声学者のヒギンズ教授から上流階級の話し方を教えられ、レディに仕立て上げられるという話である。当時のブロードウェイでヒットし、ロングランが続けられていた。後にオードリー・ヘップバーン主演で映画化されアカデミー賞も受賞している。

下町訛り丸出しの花売り娘が、社交界にデビューできるレディへと成長していくストーリーに、日産のスポーツカーもイギリスやアメリカの車に負けない車になるぞという自らの決意を重ねたのだろうか。

マイ・フェア・レディの宣伝写真 教授とイライザ
ミュージカル マイ・フェア・レディ
1956年初演で、1962年に閉幕するまで2717公演というヒット作となった。右側の教授役はレックス・ハリソン、花売り娘のイライザ役はジュリー・アンドリュースである。なお、日産の社長が見た1959年は、この二人は演じていなかったようだ。
Richard Maney/Photo by Friedman-Abeles, NYC, Public domain, via Wikimedia Commons】
タイムズスクエアの写真
マイ・フェア・レディの看板
ニューヨーク・タイムズスクエアの夜景である。奥にMy Fair Ladyの文字が光っている。写真の撮影時期は1965年2月であり、この看板は、当時ヒット中だった映画のマイ・フェア・レディである。奇しくもこの時期、車の方のフェアレディは、和製スポーツカーとして大ヒットしていた。
Jim Evans, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons】

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フェアレディの車としての完成度は?