シトロエン ディアーヌ

2CVのいいとこ取りでリニューアル。

しかし、60年代後半になると、さまざまな大衆車が他メーカーからも販売され、自家用車を持つことが田舎でも都会でも普通の生活となってくる。そうなってくると、ヒット車2CVも売れ続けることは難しいだろうという話になる。メーカー側としては当然の反応である。

「2CVは、古臭い。街角に止まっているのをよく見かけるが、もともと農家向けなのであるから、都会の洗練されたイメージは合わない。ルノー4のような車にしなければ!」というわけである。

シトロエン ディアーヌのスタイル
ディアーヌのスタイル
2CVより直線的でスマート。室内も広い。後ろの大きなハッチバックが特長だ。

そこで、都会的なイメージを目指しながら、2CVの機能性や実用性を残した車ということでシトロエンディアーヌは開発される。2CVのシャーシやエンジン、トランスミッションなどの基本構造を活かし、そこに新たなボディを載せた車の誕生である。

新たなボディは2CVらしさを残しながらもより直線的でスマートなデザインとし、全長と車幅も少し広げた。街角に止まっていても絵になる車で、しかも室内は広く快適に過ごせるようと考えたのである。また、後ろは大きなハッチバックにして、実用性も十分に考慮した。ディアーヌはこのように「これなら売れないわけ無い!」というシトロエンの意気込みがうかがえる車となったわけだが、果たして結果はどうだったのだろうか。

町並みとディアーヌ
街で見られたディアーヌ
街角にディアーヌが停車している。これはイギリスで撮られたものだが、古い家が建つ道によく似合う車である。
Classic 1980 Citroen Dyane, St. Johns Vale, Deptford by Chris Whippet, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons】
ハッチバックを開けた
ハッチバックを開けたディアーヌ
開けた扉の下にテーブルを出して食事をしている。こんなオートキャンプ的な使い方もスマートだ。
nakhon100, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons】

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ディアーヌも売れるには売れたが
・・・。