シトロエン ディアーヌ

Citroën Dyane
シトロエン ディアーヌ
シトロエン ディアーヌ 1967年

車のヒットとは何かを考えさせる車。

1967年に登場したシトロエンの大衆車である。1960年代の後半に生まれた車ではあるが、当時の普通の乗用車とは形が少し違う。ボンネットとフェンダーが別れており、フロントには小さめのラジエターグリルと角型ヘッドランプ。全体的に車高があり、大きなバックドアのハッチバックスタイルが個性的だ。

シトロエン2CVの後継車。

この形には原型がある。シトロエンディアーヌは、戦後のシトロエンを代表する名車シトロエン2CVの後継として生まれた車なのである。シトロエン2CVといえば戦前から企画、開発が進められ、戦後すぐの1948年に登場した大衆車であった。排気量400ccの非力ながらも、その経済性、運転のしやすさで人々に親しまれた。

ディアーヌが生まれた1967年、2CVは登場してからすでに20年近く経っており、競合他社からの追い上げを受けていた。そこでシトロエンは、2CVではもう勝負できないと考え、新たに後継車のディアーヌを投入したのである。当時都会的なイメージで特に人気を得ていたルノー4に対抗する車として製造されたようだ。

2CVとディアーヌが並ぶ
2CVとディアーヌ
手前が2CVで奥がディアーヌだ。基本的なスタイルは同じで、ディアーヌが少し現代的、都会的なイメージである。
展示場での2CV
1960年の2CV
シトロエンの展示会なのだろうか。最新型2CVの周りにお客が集まっている。1960年の写真である。
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