マツダ コスモスポーツ

コスモという名前の意味を考えると。

コスモとは、ラテン語で”宇宙”を意味する。この車に宇宙という名前をつけたのは何か意味があったのだろうか。

この時代、宇宙は未来のイメージそのものでもあった。月面着陸が1969年。翌年の大阪万博では、アメリカとソ連の宇宙開発に関する展示が人気を呼んだ。

1968年に公開された映画「2001年宇宙の旅」では、宇宙ステーションが軌道上に浮かび、月面に基地があり、木星に人間を送るという21世紀が描かれていた。コスモスポーツの宇宙船を連想させるデザインは、この時代のこんな空気と無関係ではないだろう。

また、未来的で宇宙的なイメージの車がSF映画の劇用車として使われないはずはない。昭和46年(1971年)から放映された「帰ってきたウルトラマン」では、MAT(モンスターアタックチーム)の特捜車両マットビハイクルとして後期型コスモスポーツがチューンナップされ使われている。

帰ってきたウルトラマンで使われた
MAT隊員の郷秀樹が運転するMATビハイクル(コスモスポーツ)の勇姿。

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コスモは可能性を見せてくれた。