キャリイ4代目から見える、今の軽自動車事情。
このスズキ キャリイ4代目にはさらに特筆すべき話題もある。昭和46年(1971年)、スズキは、このキャリイのキャンピングカー仕様を登場させる。軽の商用車を乗用車として、しかもオートキャンプで使える車として訴えたのである。当時のカタログにはキャンバス製のベッドやサイドカーテン、ルームランプなどが装備されていると書かれていた。
また、昭和45年(1970年)に開催された日本万国博覧会では、4代目キャリイがベースの電気自動車が使用されている。それはスズキが、電池製造会社と共同開発したもののようである。今から50年以上前に軽の商用バンを電気自動車にしようという発想にも驚かされる。
万博で使用された電気自動車
1970年に大阪で開催された日本万国博覧会で使用された電気自動車。4代目スズキ キャリイがベースであることがわかる。これは、浜松市にあるスズキ歴史館に展示されているものである。
【Ypy31, CC0, via Wikimedia Commons】
1970年に大阪で開催された日本万国博覧会で使用された電気自動車。4代目スズキ キャリイがベースであることがわかる。これは、浜松市にあるスズキ歴史館に展示されているものである。
【Ypy31, CC0, via Wikimedia Commons】
こんなキャリイの展開は、21世紀の現在、多くが実現しているのだから面白い。今、軽自動車をベースにしたキャンピングカーで最も使われているのはスズキエブリィである。エブリィとはキャリイのバンの現在の名前だ。
また、令和5年(2023年)には、スズキ、ダイハツ、トヨタが軽の商用バンをベースにした共同開発の電気自動車を公開した。企業への電気自動車の導入促進のためのプロジェクトのようである。
今の軽自動車のスタイルを形作ったスズキ。そのスズキのスローガンは「小さなクルマ、大きな未来」だが、スズキキャリイ4代目は、まさに未来を予言していた車だったのだ。
スズキ キャリイの動画
今も走ることができる4代目キャリイのトラックを紹介する動画。旧車の愛好クラブのイベントで撮影されたもののようだ。美しくレストアしてあり、こうした360cc時代の軽商用車をこよなく愛している人々がいることがわかる。
今も走ることができる4代目キャリイのトラックを紹介する動画。旧車の愛好クラブのイベントで撮影されたもののようだ。美しくレストアしてあり、こうした360cc時代の軽商用車をこよなく愛している人々がいることがわかる。
