危機的な状況の中で生まれたBMW700。
BMWは戦後の一時期、こうしたマイクロカーの製造、販売で持ちこたえていた。しかし、1959年には倒産の危機を迎える。やはり、大型車とマイクロカーだけでは自動車メーカーにしてはあまりにも貧弱なラインアップだったのだ。しかも、1950年代の終わりともなると、マイクロカーの人気も頭打ちになっていた。需要のある普通の小型乗用車を登場させなければならなかったのである。そこで生まれたのがBMW700だ。
BMW700は、600の機構をスペックアップするという形で作られていた。ここでグリルの問題がより明らかになる。700は、600がベースであるためリアエンジン車であり、キドニーグリルも無かったのである。しかしBMW700は、普通乗用車であった。マイクロカーとは違い、ドライバーを満足させる走りを見せた。エンジンも排気量以上にパワフルで、軽量の車体と相まって最高時速は125キロをマークした。
また、BMWは、デザインをジョヴァンニ・ミケロッティに依頼した。ミケロッティと言えば、フェラーリやマセラティ、アルファロメオなど数々のスポーツカーをデザインしたデザイナーだ。BMWの力の入れようもわかるというものである。特にこの車はミケロッティがデザインした小型車の中でも傑作と言われ、スマートなスタイルに仕上がっている。

BMWミュージアムのBMW700
ジョヴァンニ・ミケロッティデザインのこの精悍なスタイリングを見よ。
【Nathanael Burton, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons】
ジョヴァンニ・ミケロッティデザインのこの精悍なスタイリングを見よ。
【Nathanael Burton, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons】
