イセッタをライセンス生産、戦後のBMW。
BMWはドイツの会社だ。航空機エンジンのメーカーとしてスタートし、第二次大戦前からオートバイや自動車の製造を行ってきた。常に最先端のエンジン、車両の製造技術で信頼を得てきた会社でもある。
戦後は1948年から操業を再開し、1951年には大型乗用車の製造も再開した。しかし、売れ行きは芳しくなかったようだ。ドイツは戦後急速な復興を遂げたが、1950年代の初めはまだ復興は始まったばかりであり、消費者も大型乗用車を購入する余裕はなかったのである。

BMW502
50年代にBMWで生産していた大型乗用車。この車とスポーツカーのBMW503、507を投入したが、開発費がかさむだけで経営不振を招いた。
50年代にBMWで生産していた大型乗用車。この車とスポーツカーのBMW503、507を投入したが、開発費がかさむだけで経営不振を招いた。
そこでBMWは、1955年からイタリアのイソ社が開発したマイクロカーをライセンス生産した。BMWイセッタの製造、販売である。BMWイセッタは、車の前部がドアになるというユニークな車であり、復興期の庶民の足として活躍した。

BMWイセッタ
イタリアのイソ社からライセンスを得てBMWで生産したマイクロカー。
イタリアのイソ社からライセンスを得てBMWで生産したマイクロカー。

さらにBMWは、このイセッタの改良版であるBMW600を1957年に投入。それは、イセッタの前部ドアのデザインを残しながら、普通の乗用車に近づけた車であった。エンジンの能力をアップしてリアエンジン・リアドライブとし、車の後部を伸ばして4人乗りとした。

