BMW 2002

あのBMW車に乗れるなんて。
大きなラジエターグリルの真ん中にキドニーグリル、ボンネットの先端にはBMWのエンブレム。1本のモールが車体全体をぐるりと1周するデザインも粋だ。このスマートなセダンは、ドイツの自動車メーカーBMWの2002である。
ちなみにキドニーグリルとは、現代のBMW車にも付いている左右対称のラジエターグリルのことである。ゆえにこの車、BMWらしさが際立つ一台でもある。
製造されたのは1968年で、BMWが1960年代初頭から製造を始めた「ノイエクラッセ」、訳せば「新しいクラス」と呼ばれた中型自動車から派生した車でもある。

BMW2002のスタイル
フロントにはBMWならではのキドニーグリル、テールのシンプルさも好印象。そして車体を一周するモールも60年代後半の車らしさを際立たせている。これぞBMWである。
フロントにはBMWならではのキドニーグリル、テールのシンプルさも好印象。そして車体を一周するモールも60年代後半の車らしさを際立たせている。これぞBMWである。
2ドアセダンの2002。
この車、今の自動車にはあまり見られない特徴がある。ドアが2つ、つまり2ドア車なのである。今の主流は4ドア車であり、2ドアと言えばスポーティなクーペなどに見られるぐらいだ。2ドア車は、後ろの席にはめったに人は乗せないという走り屋さんが好む車でもある。
このBMW2002が製造されていた1960年代や70年代には、今とは違い2ドアの車がよく見られたものだが、それもやはりクーペやコンバーチブルといったスポーティな車に多かったという印象がある。
でも、上のBMW 2002をよく見て欲しい。クーペではなく、セダンである。後ろの席もクーペのような狭さはない。でも、2ドアであり、後ろに乗り込む時には前の席を倒して入るという面倒なことをしなければならないのである。
ではなぜ、それでも2ドアにしたのだろうか。それに答えるには戦後のBMWの歩みを少し振り返る必要がある。
