ダットサン ブルーバード

海外で注目されたブルーバード。

ブルーバードはこうした実績を残し、海外でも注目される車となったわけだが、初めてアメリカでヒットした日本車という点でも大きな意義を持つと言えるだろう。今でこそ日本車はアメリカで確固たる信頼を築いているが、当時の日本車と言えば、低価格だがまだまだアメリカ車に敵わないというイメージがあった。

しかし、ブルーバードは「プアマンズBMW」というあだ名を頂戴したそうだ。当時の自動車大国の人々もこの車の高い品質と先進性能、スタイリングを認めざるを得なかったのである。

アメリカの日本車人気の源流がここにある。

ブルーバードは、当時のアメリカでは免許をとったばかりの若者が乗る車として人気を得たそうだ。若者でも買うことのできる、あるいは親が買い与えることのできる手頃な価格で、しかもそれなりの性能があるとされたのである。

これによって、アメリカの70年代始めに若者だった世代は、日本車の良さを初めて体験した世代にもなった。その世代もいまでは70代を迎えるが、その子どもたちは30代から40代、アメリカ社会を動かしている中心世代だ。こうした人々が現代アメリカの日本車人気を支えているのだろう。

実際、日本車は高性能で故障知らずの車としてアメリカで人気が高い。2022年のデータによるとアメリカで売れる自動車トップ10の中には、日本車が7台入っているそうである。また、日本車大好きのアメリカ人が日本車の旧車を紹介するyou tubeのチャンネルもある。こうした現代アメリカの日本車人気の原点が、3代目ブルーバード510型なのだ。

動画「スティーブ的視点 Steve’s POV」
日本車大好きアメリカ人のスティーブが日本車の旧車を紹介する動画。人気のyou tubeチャンネルでもある。上の動画は、日産車の集まるイベントでのものだが、ブルーバードも紹介されている。しかし、こんなに昔の日本車大好き人間がアメリカにいるという事実に驚く。

ダットサンブルーバード、「青い鳥」という名を持つこの車は、日本人にとっても日本の自動車メーカーにとっても、そしてアメリカ人にとっても、文字通り「幸せの青い鳥」なのである。