若い女性に受けた、その理由は?
日本の衛星放送のある番組で、若い頃アウトビアンキA112に乗っていたという女性芸能人が登場し、A112を購入した理由をこう語っていた。「本当はミニが欲しかったんですけど、もうあの車が売っていなくて・・・それで、ミニにそっくりなアウトビアンキを買ったんです。」
イギリスのミニは、1970年代初頭に大幅なデザイン変更が行われ、イメージが大きく変わった。あのカワイイ車では無くなってしまっていたのだ。特に女性の車選びはイメージ優先である。どうしてもあのカワイイのが・・・ということでアウトビアンキA112となったようだ。ところがこれは、日本の女性芸能人の個人的な感覚ではなかった。
そもそもA112は、ミニに対抗する車として作られたスーパーミニであった。ミニを意識して作られていたのである。しかもこの車、1986年まで製造、販売されたが、1984年の時点で所有者の35%は女性で、その約3分の1が18〜24歳だったそうである。つまり、若い女性に大人気だったわけである。

A112の広告
上の写真は、1970年代のアウトビアンキA112の広告パンフレットの一部と思われる。Abarthと書かれており、フィアット車のチューンナップを行ったアバルト社により改造を加えられた一台だ。こうした改造車は男性がターゲットと思いきや、女性が登場している。やはりこの頃のA112は女性ユーザーに愛されていたのである。
【Autobianchi A112 Abarth by JOHN LLOYD, Flickr】
上の写真は、1970年代のアウトビアンキA112の広告パンフレットの一部と思われる。Abarthと書かれており、フィアット車のチューンナップを行ったアバルト社により改造を加えられた一台だ。こうした改造車は男性がターゲットと思いきや、女性が登場している。やはりこの頃のA112は女性ユーザーに愛されていたのである。
【Autobianchi A112 Abarth by JOHN LLOYD, Flickr】
本家のミニの方は、若い女性はもちろん多くの世代のファンを惹きつけたのであるが、A112は、この手のコンパクトな車が若い女性に大いに受けることを自動車メーカーに気づかせたのだ。
そしてこの車、現在でも人気がある。上の写真に見られるようなAbarth(アバルト)のチューニングを受けた車が、ネットの記事やYou Tubeなどでよく取り上げられている。知る人ぞ知るスーパーミニとして、今や男女を問わずマニアにウケているのだ。
A112走行動画
73年製のA112アバルトだ。心地よいエンジン音を立ててキビキビ走るスーパーミニの姿が捉えられている。
73年製のA112アバルトだ。心地よいエンジン音を立ててキビキビ走るスーパーミニの姿が捉えられている。
