フォルクスワーゲン タイプ2

フォルクスワーゲンというメーカーとは?

まずここでフォルクスワーゲンというメーカーについて少し触れておこう。フォルクスワーゲンには“国民車”という意味がある。第二次世界大戦前の1934年、当時のドイツ総統であったアドルフ・ヒトラーが打ち出した「すべてのドイツの家庭に車を」というプロジェクトに従って現在のビートルの原型とも言える車が開発される。その車を大量生産するために、製造会社として1937年に創立されたのがフォルクスワーゲンである。

そのフォルクスワーゲンも、第二次世界大戦がはじまると国民車どころではなくなり、軍用車両の生産を行う。しかし、大戦が終わると、終戦の年である1945年から早くも乗用車の生産を始めるのである。

その車が、タイプ1つまりビートルだ。しかも、単に生産を再開しただけでなく、徹底した品質管理や販売網の確立に努めた。それによりタイプ1はヒットする。多くのユーザーから支持を得たのである。

40年代のKdfワーゲン
Kdfワーゲン
アウトバーンを走る2台のKdfワーゲン。この車がタイプ1つまりビートルの原型となった。1943年撮影。
Bundesarchiv, Bild 146-1979-025-30A / UnknownUnknown / CC-BY-SA 3.0, CC BY-SA 3.0 DE, via Wikimedia Commons】
戦後すぐのタイプ1の写真
1948年のタイプ1
1948年4月のアムステルダム国際モーターショーで展示されたタイプ1。初期の輸出仕様車である。フォルクスワーゲンタイプ11と紹介されている。
Nationaal Archief, CC0, via Wikimedia Commons】

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タイプ2のヒントは工場内にあった。