ボルボはじめての量産型小型車PV444。
人気のPV444とはどんな車だったのだろうか。ボルボは1926年に誕生したメーカーだが、PV444は、第二次世界大戦後最初に出した車であり、ボルボとしてはじめての本格的な量産型小型車でもあった。
スウェーデンは第二次大戦中は中立を守ったため、戦争の被害を受けることは少なかったが、戦後の不況の波を免れることはできなかった。そこでボルボは、より販売しやすい小型車を投入することとなる。それがPV444であった。

PV444は新時代の車だ!
ボルボが1920年代に作った車とPV444とを並べて撮影している。発売当初の宣伝イベントの時の写真だろうか。これからはこんな車で行こうと訴えているようだ。
【Tekniska museet, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons】
ボルボが1920年代に作った車とPV444とを並べて撮影している。発売当初の宣伝イベントの時の写真だろうか。これからはこんな車で行こうと訴えているようだ。
【Tekniska museet, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons】
PV444は戦時中から開発をはじめ、戦争が完全に集結する前の1945年2月に発表されるという異例のデビューでもあった。
ボディとフレームを一体成型するモノコック構造で、軽く強い車体を実現。その車体に1400cc40馬力のエンジンを積んだ。それによって小型車ながらも優れた走りを見せたのである。ボルボの目論見通りこのPV444はヒットすることとなる。
PV544とは、どんな車。
さて1958年、このPV444の後継車としてPV544が登場することになる。すでにアマゾンを出していたボルボは、この車を高級イメージのあるアマゾンに対し、より求めやすい車と設定して販売を続けることになる。格好は少し古臭いが廉価版なのだからいいだろうというところである。
しかし、見た目はあまりPV444と変わらないが、PV544には改良が多く加えられていた。まず、フロントウィンドウが大きな1枚ガラスとなったこと。さらにリアウィンドウも広げられた。これにより、より広い視界を得ることができるようになった。

PV544のスタイル
フロントが長く、リアはなだらかなカーブを描いて美しい。PV444と基本的なスタイルは変わらないが、フロントウィンドウが1枚ガラスとなっているのでよりスマートな印象だ。
フロントが長く、リアはなだらかなカーブを描いて美しい。PV444と基本的なスタイルは変わらないが、フロントウィンドウが1枚ガラスとなっているのでよりスマートな印象だ。
