こだわりを注ぎ込んだ車、プジョー403。
そんなプジョー403であるが、信頼性の高いエンジンやトランスミッションを搭載し、車体の耐久性にも優れているなど、デザイン以外も当時のプジョーのこだわりを注ぎ込んだ車になっていた。そのため好評を得、11年間にわたり生産されることになった。
ボディスタイルもセダンやクーペをはじめワゴン、ピックアップ、ガブリオレなどが生産されている。フランスのベーシックな中型乗用車として人気車となったのである。
また細かなことだが、403には、後部のドアが90度に開くとか後部の窓ガラスが下まで完全に下がるといった特長があった。さらに、エンジンを冷やすファンがエンジンの温度により自動制御されるサーモスタット式で、燃費向上と騒音防止を図るという機構も付いていた。
当時のヨーロッパ車の中では乗りやすさや快適さを追求した作りになっており、そこも人気の理由であった。

1964年のコンコルド広場
フランスはパリの中心にあるコンコルド広場を撮影した1964年の写真である。当時のフランスの自家用車を代表する車が写っていて興味深い。前列の前から2台目がプジョー403である。また、向かいの街灯の前にも停まっている。
登場してから9年、プジョー403はパリっ子が愛用する車の一台となっていたのである。なお、前列のプジョー403の前にはルノードーフィンが、後ろにはシトロエン2CVが停まっている。
【FOTO:FORTEPAN / MZSL/Ofner Károly, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】
フランスはパリの中心にあるコンコルド広場を撮影した1964年の写真である。当時のフランスの自家用車を代表する車が写っていて興味深い。前列の前から2台目がプジョー403である。また、向かいの街灯の前にも停まっている。
登場してから9年、プジョー403はパリっ子が愛用する車の一台となっていたのである。なお、前列のプジョー403の前にはルノードーフィンが、後ろにはシトロエン2CVが停まっている。
【FOTO:FORTEPAN / MZSL/Ofner Károly, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】
このようにしてプジョー403は、戦後社会、特に1950年代から60年代にかけてのフランスの一般的な乗用車としてヒットする。そして、1960年代の中盤には、同じピニンファリーナデザインの後継車プジョー404や、より近代的な前輪駆動車プジョー204にそのバトンを渡すことになるのである。
