オペル オリンピア

戦後のオリンピアは、旧型アメ車スタイル。

1950年、マイナーチェンジされたオリンピアが製造、販売される。それが、このページで取り上げている車である。戦前のオリンピアをベースにしているので、フロント部分が大きく変わったとしても、基本的には戦前と同じ車であり、そのため1930年代後半から40年代の古いアメリカ車を思わせるスタイルになっている。

オペルオリンピアの実車
戦後のオペル オリンピア
1953年製のオリンピア2ドアサルーンである。2011年に撮影されたものであるが、50年以上前の車とは思えないほど美しく保たれている。
Fridolin freudenfett (Peter Kuley), CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】

やはり、戦後数年しか経っていない時点では、新しい車を開発するというのは敗戦国のメーカーであったオペルには難しかったのだろう。でも、名前は相変わらずオリンピアであった。ヒトラーのオリンピックと非難されたベルリンオリンピックにちなんだ名前であったが、それをそのまま残したのである。

オリンピックが、ヒトラーのプロパガンダとして活用されたとしても、ドイツ国民はオリンピック自体に悪いイメージを持ってはいなかったのだろう。それをオペルは理解していた。いやそれ以上に、オリンピックは喜ばしいイベントであり、平和な時代の自動車にふさわしい名前だとオペルは判断したのかもしれない。

そこでオリンピアには、普通のセダンに加えてオープンスタイルのガブリオレやステーションワゴンも用意し、この車を戦後の社会で大いに利用してもらおうとしたのである。そして1953年からは、全く新しいスタイルの戦後型乗用車オリンピアレコルトに引き継がれることとなる。

オペル オリンピア紹介動画
1951年製のオリンピアの走る様子が見られる動画である。運転するオーナーは、倉庫に40年眠っていたオリンピアをレストアしたと語る。ゆっくりと走るオリンピアが丁寧に撮影されている。

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オリンピアの復活。それはやはり・・・。