近代的なスタイルの車だった、オリンピア。
1935年に作られた最初のオリンピアは、ドイツの車の中では初めてのモノコックボディであった。つまり一体成型で軽く、車内が広い近代的な車というのがウリであった。デザインも当時流行の流線型スタイルで、ヘッドライトもボディと一体化されており、いわゆるクラシックスタイルが多かった1930年代では新しさを感じさせる車でもあった。
オペルはこの車の製造のため新しい工場も建設する。それほどこの車に懸けていたのである。登場して2年後の1937年には早くもマイナーチェンジが行われ、エンジンが1300ccから1500ccにアップ。車体が若干大きくなり、デザインもさらにスマートになった。
戦前のオペルオリンピアは、1935年から1940年にかけて16万8000台以上が製造されたとのことであるので、当時としてはヒット車と言えるだろう。ドイツと同盟を結んでいた日本にも輸入され、まだ発展途上でもあった日本の自動車メーカーにも影響を与え、オリンピアのような試作車が多く製造されたようである。

最初のオペル オリンピア
1935年に作られたオリンピア。モノコックで流線型のボディで、ライトもボディと一体化している。なお、この頃のオリンピアは、フロントグリルの形が1950年以降のものとは大きく異なる。
【Snowdog, Public domain, via Wikimedia Commons】
1935年に作られたオリンピア。モノコックで流線型のボディで、ライトもボディと一体化している。なお、この頃のオリンピアは、フロントグリルの形が1950年以降のものとは大きく異なる。
【Snowdog, Public domain, via Wikimedia Commons】

家族とオリンピア
フェリーに乗って川を渡るオリンピアとオーナーの家族。ドライブを楽しむ家族の様子が写っている。オリンピアは、庶民向け小型車であったことがよくわかる。1939年撮影のスナップである。
【Fortepan, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】
フェリーに乗って川を渡るオリンピアとオーナーの家族。ドライブを楽しむ家族の様子が写っている。オリンピアは、庶民向け小型車であったことがよくわかる。1939年撮影のスナップである。
【Fortepan, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons】
