やはり特別だった。アウレリアB24。
カロッツェリアとはメーカーの製造する車に独自のデザインを施す業者のことで、英語ではコーチビルダーとも言う。ピニンファリーナは、イタリア最大のカロッツェリアでもあり、フェラーリやマセラティ、アルファロメオなど多くの高級車のデザインを手掛けている。
そのピニンファリーナデザインのアウレリアB24は、1954年末に製造がスタート。1955年1月には、ベルギーのブリュッセルで開催されたモーターショーに出品され大いに話題を呼んだ。それまでのアウレリアより低いボディで、特にリアの美しさは他に類を見ないものであった。
このアウレリア B24は、1954年から1955年にかけて240台製造された特別仕様車でもある。第二次世界大戦後9年でこうした車が製造、販売されるのだから、当時のイタリアの自動車業界は進んでいるというか、遊び心に富んでいたのである。
さらに、1956年から1958年にかけてデザインやメカニズムを少し変えたコンバーチブルB24Sも製造、販売されている。それらは海外、特にアメリカに輸出されたようである。

ランチア アウレリアB24
1955年製のアウレリアB24である。雨のためソフトトップが装着されてはいるが、見よ、この洗練されたスタイリングを。さすが特別仕様車である。
【John Tiffin, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons】
1955年製のアウレリアB24である。雨のためソフトトップが装着されてはいるが、見よ、この洗練されたスタイリングを。さすが特別仕様車である。
【John Tiffin, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons】
