いすゞ エルフ

ビン類輸送車としてのいすゞエルフ。

初代エルフの昭和37年(1962年)版のカタログには、エルフの架装例つまり改造の例としてビン類輸送車というのが出てくる。これはエルフが、ガラスのビンのような壊れやすいものでも安心して運べるという点を訴えたかったのかもしれない。しかし、いすゞがこの車をビン類を配送する車として使うことを最初から想定していたのは確かである。

いすゞ エルフのカタログ
昭和37年(1962年)版のカタログを撮影した動画である。小型で狭い路地でも走りやすく、しかも2トン積みであることを強調している。“びん類輸送車”のイラストも登場する。

では、エルフは実際にコカ・コーラのボトルカーとして使用されていたのだろうか。日本コカ・コーラ株式会社のサイトを見ると、昭和31年(1956年)にコーラの原液の輸入が解禁され、東京に日本で第一号のコーラのビン詰め工場つまりボトラーが誕生したとある。

その工場からコカ・コーラを積んだボトルカーが各地へコーラを配送したのは確かなようだが、いすゞ エルフが使われていたかどうかは確認できなかった。しかし、昭和34年(1959年)に新型トラックとして登場し、販売台数トップとなったエルフであるから、コカ・コーラのボトルカーとしても使われていたことだろう。

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黄色のコカ・コーラボトルカーとは?