伝統のスタイルを守ってきたFX4。
近頃は日本のタクシーでも背の高い車をよく見かけるようになってきた。主にトヨタのタクシー専用車JPN TAXIが使われているようだ。車椅子から乗車しやすいとか大きな荷物を持ったまま乗車できるといったメリットがあり、いわゆる最近流行のユニバーサルデザイン対応車でもある。
しかし、ロンドンのタクシーは、昔から黒のボディカラーに背の高い車体というこのスタイルを頑なに守ってきた。なぜか。山高帽を被ったまま乗車できるというのがその理由である。つまりあの背の高さは、昔のイギリスの風俗の名残りなのである。
また、FX4を詳しく見るとさらに興味深い特徴がある。客席は通常は一列であるが、運転席の後ろに折りたたみの座席が付いており、それを広げると向かい合わせの席になるようになっている。また、運転席と客席の間にははっきりとした区分があり、運転席の隣の助手席には客は乗せないことになっている。
戦前のロンドンタクシーにはタクシーの原型である馬車の名残りが見られたが、このFX4でもまだそれは生きているのである。
オースチンFX4の内部
運転席と客席の様子が映された動画。運転席と客席の間には透明パネルがあり、仕切られているのがわかる。客席は広く、くつろげそうだ。
運転席と客席の様子が映された動画。運転席と客席の間には透明パネルがあり、仕切られているのがわかる。客席は広く、くつろげそうだ。
ロンドンタクシーとFX4
ハックニーキャリッジから始まるロンドンタクシーの歩みとオースチンFX4導入の経緯、改良の歴史などが網羅されている。およそ12分の動画である。
ハックニーキャリッジから始まるロンドンタクシーの歩みとオースチンFX4導入の経緯、改良の歴史などが網羅されている。およそ12分の動画である。
