フィアット 500C ベルベデーレ

ライフスタイルと車との関係を考えると。

子どもを持つ家族が、軽のトールワゴンやSUVなどワゴンタイプの車を持つという形は、現在の日本ではよくあるライフスタイルだ。それも、ここ30年ぐらいでこうしたスタイルが定着してきたと言えるだろう。でも、フィアットでは今から70年以上前に、家族で使うことのできるワゴンを発売しているのである。

実際にこれまでヨーロッパ車でもアメリカ車でもワゴンタイプがラインアップに加えられ、ユーザーの支持を得てきた。欧米では夏に長期休暇を取り、家族でバカンスに出かける習慣があるため重宝されたのである。家族みんなが乗り込み、荷物もたくさん積んで遠出するには、やはりセダンやクーペではなくワゴンでなければならないというわけだ。

しかし、欧米でもそんなライフスタイルが一般に定着したのは、1960年代以降であろう。さらに日本になると、それよりも遅れており、さきほども触れたように30年ぐらい前、1990年代あたりからというところだろうか。

しかし、フィアット500の例に見られるように、イタリアでは、戦争が終わって数年後にはこうしたタイプの車が出てきていたわけだ。しかもイタリアは敗戦国で、経済や生活の立て直しも大変だったと思うのだが・・・。

それを考えると、イタリアの人たちは遊ぶことが大好きというか、楽しむことに積極的なのだと改めて感服せざるを得ないのである。

フィアット500C紹介動画
美しくレストアされた500Cベルベデーレを紹介する動画である。エクステリアをはじめエンジンや運転席周り、後部の座席、荷室などを詳しく見ることができる。いろいろな工夫が施されている車であることがわかって面白い。
フィアット500C走行動画
木製パネルの付いた500Cの走る様子を撮影した動画である。田舎の山道を走り続けるのだが、エンジン音やギヤチェンジの音など、「ああ〜昔の車はみんなこんな音がしていたなあ」と妙に懐かしさが込み上げてくる。