ファミリーカーとしての需要に応えた。
さて、今回取り上げるフィアット500Cについて少し詳しく見てゆこう。トポリーノという愛称で親しまれたデザインの車は500Aと500Bだが、500Cではボンネット周りが大幅にデザイン変更され、ヘッドライトがフェンダーに埋め込まれた戦後型のスタイルとなる。でも、それでもどこかネズミというイメージが抜けないのだから、この車は面白い。

フィアット500C実車
トポリーノと呼ばれた500Aや500Bから一転。フロントまわりのデザインを戦後型に変えた500C。今の人間から見れば前のデザインの方が魅力的なのだが、当時の人には古臭いデザインだったのだ。しかし、新たなデザインになってもどこかネズミらしさは残っている。
【Andrew Bone from Weymouth, England, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons】
トポリーノと呼ばれた500Aや500Bから一転。フロントまわりのデザインを戦後型に変えた500C。今の人間から見れば前のデザインの方が魅力的なのだが、当時の人には古臭いデザインだったのだ。しかし、新たなデザインになってもどこかネズミらしさは残っている。
【Andrew Bone from Weymouth, England, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons】
フィアット500は、もともと街乗りに使えるツーシーターとして登場した。しかし、その手軽さから家族や仲間とのドライブに使われるようになっていった。事実2人乗りのフィアット500に3人4人と乗り込むという使い方もされていたようだ。
そこで、フィアットの方から、車体の長さを少し伸ばし、荷物室と居住空間を一体化した4人乗りワゴンを発売。そうした需要に応えたのである。そして、小さな車体に4人も乗るとなると閉塞感があるので、屋根はキャンバスとし手軽にオープン走行できるようにしたのだ。
ワゴンタイプの500Cが登場したのは1951年であるが、すでにその前の500Bの時代にも同様のタイプが出ているので、1940年代にはワゴンが存在したことになる。そう考えると、この頃のフィアットは新しい挑戦をしていたことになる。

500Cベルベデーレ実車
車体を後ろに伸ばし、荷物室と居住空間を一体化している。2011年の旧車のイベントで撮られた写真だ。手前にはトポリーノも写っている。
【Joost J. Bakker, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons】
車体を後ろに伸ばし、荷物室と居住空間を一体化している。2011年の旧車のイベントで撮られた写真だ。手前にはトポリーノも写っている。
【Joost J. Bakker, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons】

ベルベデーレの後部座席
結構狭く見えるが、二人座るのは可能である。背もたれを倒せば荷物室を広く使えるのは今の車と同じだ。
【Ligabo at Italian Wikipedia, Public domain, via Wikimedia Commons】
結構狭く見えるが、二人座るのは可能である。背もたれを倒せば荷物室を広く使えるのは今の車と同じだ。
【Ligabo at Italian Wikipedia, Public domain, via Wikimedia Commons】