ルノー ドーフィン

あのルノー4CVの後継車。

戦後のルノーと言えば、1947年から製造、販売されたルノー4CVが有名だ。4CVもRR車であり、丸くてかわいいスタイルである。ルノー ドーフィンはその4CVの後継車として登場した。ゆえにその駆動システムを受け継いだ車となっている。

ルノー4CVは、ドイツのフォルクスワーゲン ビートルの影響を受け、フランスの大衆車を目指して開発された車であった。経済的でよく走る4CVは人々に受け入れられ、ルノー戦後初のヒット車となった。日本でも日野自動車が1953年からライセンス生産を行っている。そのフォルムから“亀の子”と呼ばれていた。やっぱりかわいいイメージなのである。

さて、そんな4CVの後継として登場したのがドーフィンであるが、ルノーがまず考慮したのは第二次世界大戦後の経済復興であった。戦争が終わって10年ほど経過し、庶民の暮らしも豊かなものとなり、各地の自動車道路も整備が進んでいた。そこでルノーは、庶民がよりグレードの高い車を求めるだろうと考え、ドーフィンを開発したのである。

ルノー4CVとその後ろに止まるドーフィン
ルノー4CV
ルノーの戦後初のヒット車4CV。よく走る車としてフランスを始め世界中で受け入れられた車である。日本でも亀の子という愛称で親しまれていた。なお、後ろの車はドーフィンのスポーツタイプ、ドーフィンゴルディーニだ。
Wikisympathisant, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons】

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新時代の流行を取り入れた。