各地で活躍したレイランドFK9。
このページの最初に掲載したレイランドFK9は、イギリスのニューカッスル・シティの消防隊の車である。ニューカッスルはイギリス北部の工業都市だが、19世紀半ばに大火に見舞われている。多くの工場や倉庫が被害を受け、当時の消防車では歯が立たなかったようである。その教訓からか、20世紀になって登場した新型のガソリン消防自動車を積極的に導入したのだろう。
ニューカッスルをはじめ工場地帯や住宅密集地の多いイギリスでは、火災に対する備えとして消防自動車の役割が大きかったに違いない。FK9が登場したのは1939年。ちょうど第二次世界大戦が勃発した年である。そして、その翌年の1940年秋にはドイツ軍によるロンドン大空襲が始まっている。
ロンドンの空襲では、通常の爆弾に加え焼夷弾も投下され多くの火災が発生している。そのため、公共の消防隊に加え民間の消防隊も出動し、消火活動に努めたという記録がある。その際、実際にFK9が出動していたかどうかは定かではない。しかし、レイランドFK9は何と言っても当時の最新鋭消防車である。きっと大いに活躍したことだろう。

連合国軍勝利パレードに参加したレイランド消防車
第二次大戦後の1946年6月にロンドンで行われた連合国軍勝利パレードの様子。トラックの後ろに並んでいるのはオープンスタイルのレイランド消防車だ。イギリス陸軍消防隊の車両とのことなので、この消防車も空襲の時には活躍したのだろう。
【War Office official photographer, O’Brien A (Captain), Public domain, via Wikimedia Commons】
第二次大戦後の1946年6月にロンドンで行われた連合国軍勝利パレードの様子。トラックの後ろに並んでいるのはオープンスタイルのレイランド消防車だ。イギリス陸軍消防隊の車両とのことなので、この消防車も空襲の時には活躍したのだろう。
【War Office official photographer, O’Brien A (Captain), Public domain, via Wikimedia Commons】
1930年代のイギリスの消防隊
当時の消防隊の様子を記録したフィルムの一部である。オープンタイプのレイランド消防車が登場する。消防車の屋根のハシゴの使い方がわかって面白い。
当時の消防隊の様子を記録したフィルムの一部である。オープンタイプのレイランド消防車が登場する。消防車の屋根のハシゴの使い方がわかって面白い。
