レイランドFK9とはどんな消防車?
このようにして消防自動車は生まれ、活躍するようになったのだが、さて、レイランドFK9という名の消防車はどのような経緯で登場したのだろうか。そもそもレイランド・モーターズという自動車メーカーはどんなメーカーなのだろうか。
レイランド・モーターズは、トラックやバスなどの商用車を製造していたイギリスの自動車メーカーである。19世紀の終わりに蒸気動力による商用バンを製造したのが始まりであるので歴史は長い。20世紀になるとガソリンエンジンによるワゴンやバン、トラック、バスなどの製造を始め、戦前の一時期には高級乗用車の製造も行っている。

レイランドの蒸気自動車
1896年製造の蒸気自動車。1.5トン積みのオープンタイプ商用バンである。
【Whelas at English Wikipedia, Public domain, via Wikimedia Commons】
1896年製造の蒸気自動車。1.5トン積みのオープンタイプ商用バンである。
【Whelas at English Wikipedia, Public domain, via Wikimedia Commons】

レイランドエイト
1920年から1923年まで作られていたレイランドの高級車。当時の最高級を目指して作られた車で、イギリスで始めて直列8気筒エンジンを搭載した。
【older than 70 years (UK), Public domain, via Wikimedia Commons】
1920年から1923年まで作られていたレイランドの高級車。当時の最高級を目指して作られた車で、イギリスで始めて直列8気筒エンジンを搭載した。
【older than 70 years (UK), Public domain, via Wikimedia Commons】
レイランドFK9はそのレイランド・モーターズが1939年に作った消防自動車だ。消防自動車は、その発生からすれば大型トラックに消防ポンプを搭載するというのが普通であるが、このFK9のベースとなっているのは、トラックではなくバスである。
特にレイランドが1931年から1939年にかけて製造していたレイランド カブKシリーズというバスなのである。30年代の車なので、現代のバスとはちょっとスタイルが異なる。エンジンを収めたボンネットが車の前方に出ているいわゆるボンネットバスだ。

レイランド カブ
1937年製の24人乗りレイランド カブ。レイランドFK9消防車のベースとなったバスである。ボンネットの形を見ると確かに同じだ。写真の車は、イギリスのアンバーリー博物館所蔵の一台。
【Peter Trimming from Croydon, England, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons】
1937年製の24人乗りレイランド カブ。レイランドFK9消防車のベースとなったバスである。ボンネットの形を見ると確かに同じだ。写真の車は、イギリスのアンバーリー博物館所蔵の一台。
【Peter Trimming from Croydon, England, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons】
