ジャガーは、車の名前からメーカーの名前へ。
1945年、SS100の生産再開こそなかったが、SSカーズは、この車の名前であるジャガーを正式にメーカーの名前とする。戦後の新しい時代に向けて会社も大きく変わろうと考えたのだろう。
では、なぜSSをやめたのだろうか。それは、ナチスドイツの悪名高い組織である親衛隊が「SS」だったからである。確かに当時はまだ戦争の記憶が生々しい時代だった。SSを新時代の自動車メーカーの名前には使えなかったのだろう。そうかといって、元々の名前であるスワローにもならなかった。
スワローは英語のツバメのことだが、「スワローに戻すよりは、ジャガーのほうが速そうで、どこか重みがあるね」と・・・、これは想像だが、こんなことだったのではないだろうか。

スワローのマスコット
スワローがコーチビルディングしたオースチン7のボンネットに付けられていたツバメ(スワロー)のマスコット。1930年製。
【nemor2 from Stuttgart, Germany, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons】
スワローがコーチビルディングしたオースチン7のボンネットに付けられていたツバメ(スワロー)のマスコット。1930年製。
【nemor2 from Stuttgart, Germany, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons】

ジャガーのマスコット
ジャガーSS100に付けられたジャガーのボンネットマスコットだ。確かにこちらの方がツバメよりも速そうなイメージである。
【Steve Glover from Bolton, Lancs., England, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons】
ジャガーSS100に付けられたジャガーのボンネットマスコットだ。確かにこちらの方がツバメよりも速そうなイメージである。
【Steve Glover from Bolton, Lancs., England, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons】
いずれにしても、最初のジャガーであるSS100が、高性能でスタイルも抜群なスポーツカーとして人々に受け入れられたのだ。そのまま社名として大正解だったのは間違いない。現代の私たちもジャガーと言えばあのイギリスのかっこいいスポーツカーという印象を持っているのだから。
ジャガーSS100の走行動画
1938年製造のジャガーSS100の美しいスタイル、コックピット、走る様子などを紹介する動画。クラシックカーのオークション業者であるH&H Classicsが制作したものだが、木立の中を走るSS100の優雅な姿が捉えられている。
1938年製造のジャガーSS100の美しいスタイル、コックピット、走る様子などを紹介する動画。クラシックカーのオークション業者であるH&H Classicsが制作したものだが、木立の中を走るSS100の優雅な姿が捉えられている。
